本記事では実際に某食品メーカーに勤務している管理人が
“ホワイト企業なのか、ブラック企業なのか”
見分けるチェックポイントを解説していきたいと思います。就活生に人気で倍率の高い食品メーカーですが、離職率の高いブラック企業も結構あります。
就活・転職の参考にしていただければ幸いです。
それでは早速いきましょう!
管理人の仕事は?
食品メーカーといっても扱う製品によって得意先の業種が異なります。
あくまでかみ砕いた一例ですが
①スーパーに並んでいる製品を製造・販売するメーカー
→家庭用製品
②飲食店で使われる食品を製造・販売するメーカー
→業務用製品
③上記の製品の原料を製造・販売するメーカー
→原料製品
などなど、販売先や販売場所によって得意先が異なります。①であれば小売業、②であれば飲食業、③であれば食品メーカーなどがお得意先になります。
ただ基本的に食品メーカーは食品商社を通して商売をしていることが多く、食品商社もお得意先なります。①〜③を全て扱っているメーカーも多くあります。
また業務用製品に特化したメーカーもあれば、原料に特化したメーカーもあります。
管理人の勤める会社も①〜③までありますが部署が異なっています。ちなみに私は①の家庭用製品を販売する営業職です。
イメージしやすいように家庭用製品の具体例を出すと
・500mlペットボトル
・カレー粉
・ヨーグルト
・お菓子
・鍋つゆ
・マヨネーズ
・カップスープ
・カップ麺
・ビール
等です。
基本的にスーパーで見かけるものですね!
就活生に人気なメーカーは家庭用製品が有名な食品メーカーだと思います。
例えばハウス食品であればバーモントカレー、明治であればブルガリアヨーグルトなど有名ですよね。
本記事ではこういった一般的な就活生がイメージしている、主に家庭用製品を扱うメーカーについて書いております。
『食品メーカー勤務を目指すならホワイト企業に入るべき!』その理由とは?
『食品メーカー勤務を目指すならホワイト企業に入るべき!』
と私が思う理由はズバリ、
“得意先に対して立場が弱いため、社外的なストレスが大きい”
からです!
家庭用製品を扱う食品メーカーの主なお得意先は”食品商社”と”小売業”になります。
製品の流れは下記の通りです。
①食品メーカー
↓
②食品商社
↓
③小売業
↓
④消費者
食品メーカーにとって②〜④は全て自社製品を買って頂くお客様です。
そのため社外に対しては常に低姿勢でいることが多いのが実態です。
人口減少で国内食品メーカーはシビアな環境
食品業界を取り巻く環境は”人口減少”や”小売業の集約”によって、かなりシビアな状況です。基本的に日本の人口は減り続けているので国内の市場は縮小します。
それによって小売業も業績が厳しく、買収などによって再編・集約が進んでいます。
小売業ランキング1位のイオンや2位のセブン&アイも様々な企業が合併し、巨大な小売業へと成長しました。
巨大な小売業は仕入れも巨大になります。
そのため食品メーカーは天秤にかけられ、激しい価格交渉などが待っています。
お得意先から『買わせてください』と言われるようなトップ製品だけなら良いですが、基本的には競合メーカーとの激しい戦いが繰り広げられます。
各メーカーの開発力や生産力も格段に進化しているので、ヒット商品が競合メーカーにマネされることは日常茶飯事です。
メーカーが値引要求に応じなかったりすると、取引を減らされたり競合メーカーに切り替えられたりすることも実際に多々あります。
こういった業界なので、キラキラした製品開発・企画をイメージして入社すると面を食らいます。笑
営業現場に立つと想像以上に立場が弱いことをお分かり頂けたでしょうか・・・。
食品メーカー勤務のモチベーションや強み!
過酷な業界で一番立場の弱い”食品メーカー”勤務の私がどうして頑張れるのか?
それは給料がそこそこ高く、福利厚生などのワークライフバランスが整っているから!
食品メーカーは他業界に比べて住宅などの福利厚生が充実していると思います。
また奇跡的に職場の人間関係も良く、周りに恵まれていると思います。
社外でストレスが溜まるのに社内もブラック出会った場合、即効辞めてます。笑
あと食品メーカーの強みとしてはやはり食いっぱぐれないことですね。今回新型コロナの影響は、家庭用製品を扱う食品メーカーにとっては追い風となる数少ない業界です。”食品”の安定性というのは一つの強みだと思います。
長くなりましたが、
デフォで社外が厳しい業界なので、絶対ホワイト企業に入るべきなのです。
続いては本題のチェックすべきポイントについて解説致します。
就活時にチェックすべきポイント解説
チェックすべきポイントはたくさんありますので、項目別に解説致します。
【四季報参考】離職率
どの業界でも言えることですが、四季報に記載されている3年以内離職率は絶対にチェックしましょう。食品メーカーは他業界と比べて離職率が低い傾向にあるので、食品メーカー内で比較してください。
私の肌感ですが、10%以上あったらちょっと疑ったほうがいいかもしれません。
ただしその年に瞬間的に高い可能性もあるので、過去5年分くらいのデータもチェックしましょう。
【四季報参考】年収
続いては年収です。ここいちばん大事です!
食品メーカーの年収はかなり格差があります。製品のネームバリューがあるから年収も高い!・・・訳でもないところが注意点です。
例えば『プチシリーズ』で有名ブルボンさん
なんとなく楽しそうな会社のイメージありませんか。私も就活の時、ネームバリューで片っ端からESを出していたのでブルボンさんも受けました。
しかし上記の低年収ランキングサイトで15位、平均年収が460万円です。
他にも5位の第一屋製パン、19位のダイショーなど有名ではないでしょうか。
ネームバリューに釣られて入社し、すぐに辞めてしまう新入社員を多く見ています。
ストレスの溜まる業界ですので、やりがいはもちろんですが平均年収もしっかりチェックしましょう。
【四季報参考】成長性
前述の通り、食品業界を取り巻く環境は基本的に厳しい状況です。その中でも売上、営業利益が比較的拡大している企業を選びましょう。
世界的には人口拡大しているので、できれば海外に事業展開をしている企業がいいと思います。
【裏話】主力製品の温度帯
食品メーカーでも、取り扱う製品のカテゴリーによって”業務の大変さ”が変わってきます。チェックする部分は製品の”温度帯”です。
大きく分けて3つあります。
・常温(ドライ)
・冷蔵(チルド)
・冷凍(フローズン)
結論から言うと、”ドライ製品”が主力の食品メーカーがおすすめです。
理由としては賞味期限が関わってきます。
ドライ製品は賞味期限が長く、チルド製品は賞味期限が短いです。そのためチルド製品の場合、生産や配送の頻度が高くロスもでます。
チルドは毎日配送が当たり前なので物流等で休日時にトラブルが起きると休日対応が発生します。またドライに比べてチルドやフローズンは営業利益率が低いことが多いです。
チルドやフローズン保管温度が決まっているので、倉庫に保管するだけでドライよりもお金がかかります。
他にもチルドの方が食中毒の発生する可能性が高いと言えます。過去にあった雪印の集団食中毒事件などはかなりインパクトがあったようです。
明治やグリコや森永乳業のようにドライとチルド、フローズン全ての温度帯の製品を扱っていたりする企業もあるので、実際に社員さんに話を聞くことができればベストですね!
【裏話】高シェアなトップ製品があるか
高いシェア製品があると、”業界で立場が弱い”とは言えある程度優位に立つことができます。例えば値下げ要求をされたときに断ったり、中間地点で折り合いをつけたりすることもできます。
そのため、社外的なストレスも低めです。笑
例えば日清食品の”カップヌードル”は化け物レベルのトップシェア製品です。
トップシェア製品を材料に商談を優位に運ぶことも狙えますし、何より競合メーカーを寄せ付けないので価格競争に陥らないメリットがあります。
シェアが高いということは競合メーカーに追われる立場でもあるので厳しいこともありますが、競合に真似できない製品力・技術力がある証拠です。
普段働く上でとても重要です。
【裏話】転勤頻度とジョブローテーション
私の感じる食品メーカー営業の最大のデメリットは転勤の頻度が高いところです。
若いうちは転勤が苦になりませんが、家庭を持ったり歳を取ると転勤はかなり痛手です。
“企業HPには大都市の事業所しか載ってないが、実は小さい支店や営業所がいっぱいあった”
なんて話も聞きますので人事に確認してみましょう。
ジョブローテーションも非常に大事で、営業以外の部署にもいける可能性があるかしっかりチェックしましょう。
転勤に関してはある程度覚悟を持って入社したほうが良いと思いますね!笑
【裏話】福利厚生
ここもかなり重要です!
福利厚生におけるポイントは3つ
①住宅手当
②家族手当
③育児制度
前述したように転勤が多いので①の住宅手当はかなり重要です。
食品メーカーは基本的に住宅手当が充実していることが多い傾向ですが、時々地雷があります。
目安としては家賃の6割〜8割くらい負担してくれる企業が良いと思います。
住宅手当の一律支給の場合は大都市で働くときにかなりキツくなるので、家賃に応じた割合の負担をしてくれる方
が良いです。
後は単身赴任になった時の交通費や、育児休業がしっかり取得できるのかどうかも確認した方がいいですね。
【裏話】得意先との交際・接待費
いわゆる得意先を”接待”する時のお金です。
接待は基本的に業務にあたるので領収書で全額落とせますが、
『交際費が限られていて今日は自腹です』
なんてメーカーさんも過去にいました。
実際の営業社員に聞くしかないと思いますが・・・なかなかハードル高めなので確認できたらさらっと確認しましょう。
あとは接待の頻度もワークライフバランスに関わります。ビールメーカーの接待頻度はかなり高いです。笑
人事にはあまり聞かない方がいいかもしれません。笑
その企業の製品を好きになれるか
最後に大事なのが、その企業の製品を好きになれるかどうかです。
やりがいやモチベーションに直結しますし、面接でもそこの熱意はチェックされると思います。
入社試験を受けるのであれば主力製品を自分で買って、食べたり飲んだりしてみましょう。
まとめ
ざっとチェックポイントをまとめました!
・3年以内離職率(10%以内)
・平均年収(600万以上は欲しい・・)
・海外展開
・主力カテゴリー(ドライ推奨)
・高シェア製品の有無
・転勤頻度
・ジョブローテーションがあるか
・住宅手当(家賃の6割以上推奨)
・育児手当
・家族手当
・交際費はしっかり出るか
・自分がその製品を好きか
もちろん全て該当する食品メーカーは少ないと思います。
自分で譲歩できる部分、できない部分を検討しながら探してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!